
日本は地震大国です。近い将来、南海トラフ地震や首都圏で大地震が発生するという見解を示す学者が多くいます。
2011年の東日本大震災はたいへん悲しい大災害でしたが、仙台では家屋の倒壊が少なかったといわれています。宮城県は1978年に起きた宮城県沖地震の教訓を生かし、建物の耐震化が進んでいたことで、倒壊事故が少なかったようです。それだけ耐震工事は重要なのです。今回は耐震工事とその費用について紹介します。
1.耐震基準クリアで倒壊が免れることも!
日本には耐震基準があり、建築基準法や建築基準法施工令などで定められています。その建築基準法のなかで、現在の耐震基準のベースとなっているのが、1978年(昭和53年)に発生した宮城沖地震の被害状況を受けて、大きく改定された1981年(昭和56年)の建築基準法施行令です。このときに、それまで震度5に耐える基準が、震度7程度まで耐えるように、建物の耐震基準が大幅に見直されました。
これを機に、1981年(昭和56年)5月以前の基準で設計された建物などは、旧耐震基準の建物になります。従って、1981年以降に設計された建物は新耐震基準に大きく分けられるようになりました。具体的には、建物を新築するときに市町村に提出する「建築確認申請」を、市町村が受理し、「確認通知書(副)」を発行した日付が以下のどちらに該当するかによって決まります。
1-1. 81-00木造住宅の耐震強化
建物の耐震区分についてもう少し説明します。上記の旧耐震区分と新耐震基準の分け方以外に、もう一つ、「81-00木造住宅」があります。1981年(昭和56年)~2000年(平成12年)に建築された在来軸組構法の住宅を、81-00木造住宅と呼んで区分する方法です。
2016年(平成28年)4月に発生した熊本地震において、「新耐震基準」のうち接合部などの規定が明確化される前の「81-00木造住宅」に倒壊などの被害が見られたのです。そこで、81-00木造住宅の耐震化を進める取り組みが進められています。
1-2.耐震工事は効果がある
新耐震基準では気象庁が定める最も強い震度7程度の地震でも全壊しないことが基準になっていて、実際に、2011年(平成23年)に発生した東日本大震災でも、新耐震基準で建設された建物は直接的な被害が少ない状況でした。耐震工事は確実に効果があるのです。
2.耐震工事費用を詳しく解説
耐震工事といっても、工事をする建物の大きさや、鉄筋なのか木造なのか、築後何年経過しているかなど、個々の建物で工事の内容が異なってきます。当然費用も異なってきます。しかし、標準的な費用相場があるのです。
2-1.耐震工事費用
「日本木造住宅耐震補強事業者協同組合」が、2021年3月4日発表した、耐震工事関連の調査データがあります。そのデータは、2006年4月1日~2021年2月28日(14年11ヶ月)の間に耐震診断を行った27,929棟の調査結果です。当組合の耐震診断は、人命を守ることに重点を置き、「大地震時に倒壊しない」ための耐震性確保を目標に据えた組合の診断が行われています。
2-2.耐震診断結果:基本データ
調査期間が長いこともありますが、基本データによれば9割超の家屋が現行の耐震基準を満たしていません。調査件数27,929件中、「倒壊する可能性がある:4,715件」、「倒壊する可能性が高い:20.844件」あり、あわせると25,559件の住宅が耐震工事を必要という結果です。
2-3.耐震工事の費用は約167.7万円
木耐協が行った耐震補強工事のアンケートでは、耐震工事を行った平均施工金額は、約167.7万円です。耐震補強工事の施工金額の中央値は140万円になります。また、耐震工事を行った住宅の平均築年数は37.15年でした。
2-4.住居の各部分の耐震工事の費用相場
標準的な耐震工事で住居の各部分の工事費用について詳しくみると、基礎部分の耐震補強工事の費用相場は約10万円~約70万円になっています。壁の耐震補強工事にかかる費用は、補強する壁1箇所で約10万円~約15万円となっており、総額で約25万円~約70万円が費用の目安です。
柱の耐震補強工事は、今ある柱に金具を使って補強する工事方法や、柱や金具を新たに追加する補強工事があります。柱の追加は大掛かりな解体が必要になるため、費用がかなり高価になりがちです。その点を加味して、柱の耐震補強工事の費用相場は約40万円~約100万円です。
2-5.屋根の葺き替えで耐震強化
屋根を耐震補強することもおすすめです。屋根の耐震補強工事は主に屋根の軽量化が行われ、使用する屋根材で費用は大きく変わってきますが、費用相場は1平方メートルあたり約1万円~約2万円となっています。一般的な住宅の屋根面積が約60平方メートル程度とすると、総額で約60万円~約120万円と見込めるでしょう。以上の工事の最低価格を合計すると、135万円になり、耐震工事の費用の中央値140万円に近い値となり、耐震工事費用の目安になります。
3.耐震工事補助金
耐震リフォームについては、補助金制度を設けている自治体があります。多くの自治体では建物の倒壊など、地震による被害を最小限に抑制することを目的に、耐震診断や耐震リフォーム費用に対し、補助金制度を実施しています。
基本的に、各自治体は着工前に自治体独自で耐震診断を行い、その結果を基に自治体からの補助金交付決定を受けると、補助金の支給が決定するのです。実際には、補助金の支給が決定されるための対象となる住宅や、耐震工事については細かい条件が各自治体にあり、耐震工事を行う前に、住んでいる自治体に相談をおすすめします。
4.まとめ
年々震度が強い地震が起きています。その都度、耐震強化対策が立てられ地震に強い住居が増えています。耐震工事費用は140万円ほどかかりますが、命が助かる確率が上がるのであれば決して高い出費ではありません。耐震工事費を考えましょう。
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