
耐震工事とは、建物が地震に対して安全に耐えられるための施工方法です。地震は建物に大きな影響を与える力を持っています。もし、その建物に耐震性能が足りなかった場合、命と財産に深刻な被害をもたらす恐れがあるでしょう。今回は、耐震工事の具体的な施工内容について詳しく解説します。
1.建物の構造別耐震工事について
耐震工事とは、建物の構造を強化したり、揺れを吸収したりする工事です。耐震工事は、建物の種類によって異なります。ここでは、主な建物の種類とその耐震工事について簡潔に説明します。
1-1.木造
木造建物は、柱や梁などの木材で作られた建物です。木造建物の耐震工事では、柱や梁を補強したり、壁に合板や金属板を貼ったりします。また、基礎と柱をしっかり固定するアンカーボルトや、柱同士を結ぶ金具なども使われます。
1-2.鉄骨造
鉄骨造建物は、鉄骨で骨組みを作り、壁にコンクリートやレンガなどを貼った建物です。鉄骨造建物の耐震工事では、鉄骨の接合部分や柱脚部分を補強したり、壁に耐力壁やダンパーなどを設置したりします。また、基礎と鉄骨をしっかり固定するベースプレートやボルトなども使われます。
1-3.鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造建物は、コンクリートに鉄筋を入れて作った建物です。鉄筋コンクリート造建物の耐震工事では、コンクリートのひび割れや剥離を補修したり、鉄筋の錆びを除去したりします。また、コンクリートに繊維やカーボンなどを混ぜた補強材や、外部からコンクリートに圧力をかけるプレストレスト技術なども使われます。
1-4.鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄骨鉄筋コンクリート造建物は、鉄筋コンクリートで柱や梁を作り、その間に鉄骨で壁枠を作った建物です。鉄骨鉄筋コンクリート造建物の耐震工事では、上記の鉄骨造と鉄筋コンクリート造の両方の方法が適用されます。
以上が、主な建物の種類とその耐震工事について説明してきました。実際の耐震工事には専門的な知識と技術が必要です。自分の家やビルがどんな種類で、どんな耐震工事が必要か知ることは大切です。
次に、木造住宅にお住まいの方のための耐震補強が必要な住宅のチェックについて説明します。
2.耐震補強が必要な住宅とは?
ここでは、耐震補強が必要な住宅について説明します。
耐震補強が必要な住宅とは、主に以下のような特徴を持つものです。
- 建築基準法が改正される前に建てられたもの(1981年以前)
- 木造住宅であるもの
- 老朽化や劣化が進んでいるもの
- 改築や増築を繰り返しているもの
- 地盤が弱い場所にあるもの
これらの住宅は、地震によって倒壊したり、大きな損傷を受けたりする可能性が高いでしょう。そのため、耐震補強を行うことで、住宅の安全性や耐久性を高められます。
3.木造住宅の耐震補強の種類
木造住宅の耐震補強方法について見ていきましょう。木造住宅の耐震補強の種類には、主に以下の3つがあります。
3-1.基礎補強
地震の揺れによって基礎がずれたり、ひび割れたりするのを防ぐために、基礎と土台をしっかりとつなげる工事です。
3-2.構造補強
壁や柱などの構造部材が地震の力に耐えられるように、金属製の金物や合板などを取り付ける工事です。
3-3.間仕切り壁補強
間仕切り壁が地震で倒れたり、ずれたりするのを防ぐために、壁と床や天井をしっかりと固定する工事です。
これらの耐震補強は、木造住宅の安全性と快適性を高めるだけでなく、建物の寿命も延ばします。築年数に不安を感じるならぜひ耐震診断を受けて、自分の家に必要な補強工事を検討してみましょう。しかし気になるのが予算です。次の章では、耐震補強工事の相場について説明します。
4.木造住宅の耐震補強工事の相場
木造住宅の耐震補強の価格については、一概には言えません。一つは、耐震補強の方法や範囲、工事の難易度や期間などによって、大きく変わるからです。そしてもう一つが近年の物価上昇です。しかし、2023年現在、一般的な目安としては、木造住宅の床面積あたり約10万円から20万円程度が相場となっています。築年数、住まいの立地や形状によってはもっと高くなったり安くなったりする可能性があります。ですから、耐震補強の価格を正確に知りたい場合は、専門の業者に見積もり依頼をお考え下さい。
また、多くの自治体では耐震補強工事に対する助成金や補助金制度を行っています。条件なども色々ありますので、一度自治体のウェブサイトを確認しておくと良いでしょう。
5.耐震補強工事の流れ
木造住宅の耐震補強工事の流れについて説明しましょう。まずは、耐震診断を受けることから始まります。耐震診断では、建物の構造や材料、築年数などを調査し、地震に対する耐久性や安全性を評価します。耐震診断を受けることで、建物の耐震性能や補強の必要性や方法が分かるのです。次に、耐震補強工事の計画を立てます。
耐震補強工事の計画では、耐震診断結果を基に、補強の範囲や方法、費用や期間などを決めていくのです。耐震補強工事の実施では、計画に基づいて建物の構造や部材を改修したり、補強材を取り付けたりします。耐震補強工事の実施は、建物の安全性や品質に関わるため、正確かつ丁寧に行うことが必要です。また、工事中は住民の生活に影響が出ないように配慮することも必要です。
6.まとめ
耐震工事について、後半は木造住宅についてより詳しく説明してきました。木造住宅の耐震工事は、地震による被害を防ぎ、住民の命や財産を守るために重要なものです。もし、あなたの住まいが木造住宅であれば、まずは耐震診断を受けてみることから始めましょう。
神奈川県大和市の「株式会社リフォーマル」は、各種リフォーム工事から新築工事までさまざまな建設に携わる会社です。基礎補修を含む耐震補強工事も行っています。神奈川県を中心に東京エリアにも対応しています。お住まいの築年数がきになる時には、お気軽にリフォーマルまでご相談下さい。