
顧客がリフォーム工事を依頼する際に、リフォーム会社が提示するのが「見積り」です。顧客にとってリフォーム費用は、決して安いものではありません。リフォーム工事の内容についても分からないことが多いので、疑問や不安も多いものです。そんな金額や工事内容について納得してもらうために重要なのが「見積り」です。そこで今回は、リフォーム工事の見積もりの役割や書き方、活用法を解説していきます。
1.見積もりの役割とは?
リフォームを請け負うのに先立って、顧客に提示するのが見積もりです。見積もりはどのような工事にいくらかかるのかを明確にするものですが、どのような役割を果たすものなのでしょうか。
1-1.顧客の安心感を得られる
リフォームを依頼する顧客にとって、どのような工程でどのような部品や材料を使い、それにいくらかかるのかは全くの未知のものです。専門的な事柄で顧客には難しい内容ではありますが、それを知っているか知らないまま工事が進むかで、顧客の安心感は全く異なるのです。顧客に安心してもらえるような、分かりやすくオープンな見積もりを目指しましょう。
1-2.現場での予算管理
建築業界の特徴として、売り上げが最終的に確定するまでに時間がかかることが挙げられます。見積もりで予算を把握し管理を適切に行えることは、利益を上げるのに欠かせません。
1-3.社内ノウハウの構築
過去の見積書を社内に蓄積しておくことで、次回似たようなリフォームの依頼があった時に参考にでき、効率の良い見積もり作成が叶います。金額についても、大きな誤差が無く提示できます。
1-4.トラブル防止
工事内容や金額について顧客としっかり打ち合わせたつもりでも、口約束だけでは「言った」「言わない」のトラブルにもなりかねません。見積もりを作成してしっかり提示しながら打ち合わせることで、そのようなトラブルを回避する効果があるのです。
2.リフォームの見積もりの作成方法とは?
ここからは、見積もりの作成方法をお話していきます。見積書は大きく分けて「表紙」「条件書」「内訳書」に分けられます。
2-1.表紙の書き方
表紙には、「タイトル」「見積作成日」「宛名」「合計金額」「工事者名」を記載します。
- タイトルには、一般的に「御見積書」と記載
- 見積作成日には、見積もり発行日を記載
- 宛名には、施主の名前(会社名の場合は正式名称)を記載
- 合計金額には、合計金額を記載
- 工事業者名には、自社の社名と連絡先を記載
いくつかポイントを紹介します。見積もり作成日は有効期限の目安になるので、正確な日付を記載する必要があります。合計金額は改ざん対策として末尾に「-」を付けたり、税込みか税別かを明記したりしましょう。
2-2.条件書の書き方
条件書には、工事を行うに当たっての条件を記載します。具体的には「支払い条件」「工事場所」「工事内容」「見積有効期限」「工期」「備考」の6項目について記載していきます。
- 支払い条件には、工事費用の支払い方法を記載
- 工事場所には、リフォーム工事を行う場所の住所を記載
- 工事内容には、リフォーム工事の具体的な内容を記載
- 見積有効期限には、見積金額での契約が可能な期間を記載
- 工期には、工事を行う期間を記載
- 備考には、工法や設計図所といった諸条件を添付
条件書は、簡単なリフォームなら表紙に記載することもあります。表紙に記載しきれない規模のリフォーム工事の場合には、別紙に作成します。
2-3.内訳書の書き方
内訳書には、「項目」「仕様・摘要」「数量」「単位」「単価」「金額」「備考」を記載し、表紙の合計金額の内訳がどうなっているのかを示します。
- 項目には、工事の詳細な種類や部品、工事内容などを記載
- 仕様・摘要には、部品の品名・色など項目の補足を記載
- 数量には、各項目の数量を記載
- 単位には、数量の単位を記載
- 単価には、1項目当たりの単価を記載
- 金額には、項目の合計金額を記載
- 備考には、何か補足事項があったら記載
内訳書は、顧客が工事内容の詳細を知るのに役立ちます。
3.よい取引のための見積もりの活用方法とは?
より良い取引のために、見積もりの提示で気を付けたいのが「条件面」です。顧客側は金額の方に目が行きがちですが、工事の水道代や電気代は誰の負担になるのか、どんな追加費用がかかるのかなどが分かる「条件面」の説明は、とくに丁寧に行うのがおすすめです。顧客との行き違いが無くなり、信頼関係を築けることでしょう。
また、リフォームを考えている顧客の多くは、数社から見積もりを取って比較する「相見積もり」を行っています。そして顧客の多くは「リフォームはどこに依頼しても同じだから、より安いリフォーム業者に決めたい」と考えているものです。だからと言って他社より安い見積額を提示してばかりいたら、利益を上げることは不可能と言えます。
そこでアピールしたいのが、他社と競合した時に優位に立てる自社の強みです。そこで顧客に、金額の安さ以外の判断基準を提示するのです。具体的には、アフターフォローや保証面、職人の技術や施工実績などが考えられます。見積もりの説明と合わせて、見積もりには記載できない自社の強みをしっかり把握してアピールしましょう。
4.まとめ
リフォーム工事における見積もりは、顧客の疑問や不安を払しょくして安心して工事を依頼してもらうためのものです。企業側にとっても見積もりを作成するメリットは多々あります。見積もりを活用して、業績アップを目指しましょう。
「株式会社リフォーマル」では、営業職・職人として一緒に働く社員を募集しております。営業職は、未経験でも分かりやすく見積もりの作成方法なども指導します。ぜひリフォーム業界で共に活躍しましょう。